大学生の自分と対話する計画

学生の頃、しきりに古本屋に行き、なんとなく本を買っていた。 ふらっと訪ねて、取り揃えているジャンルを確認し、棚に並んだ本のタイトルを眺め、気の赴くままに手に取って流し読みし、手元に置きたくなったら買っていた。 手元に置きたくなるのは、前から欲しかった本はもちろん、将来読み返したくなりそうな本、特段興味はないが安くて面白そうな本、などである。面白そうというのは、なんとなく読んでいて小気味良い文章だったり、それなりの知識をさわりだけでも得られたりするようなことである。

そういった思い付きで色々な本を買ったものの、特に読み込みもせず部屋に積んである。老後の楽しみにとっておきたいが、この高度情報化社会を生き抜くためには絶えず新しい情報を仕入れる必要があり、つまり古い本は断捨離して新しいものを受け入れる余裕を持たなければならない。

しかし単に捨ててしまっては過去の自分に申し訳が立たない。電子化は手間がかかって土台無理である。電子書籍を定価で買い直すことにも抵抗があるし、電子書籍もこの先どれほど残るか分かったものではない。 そこで考えたのは、部屋に積まれた古本を流し読みして、当時を振り返りつつ、本への感想だけは残したい。これを残しておけば、老後もこの書き置きを振り返ることができ、実際に本を読みたくなったら図書館にでも行けば良い。 大学生の自分が残したものを、会社員の自分が現実的な形に整理して残したい。

やや蛇足になるが、思い付きだけではこの活動は継続できない。ここで重要になってくるのは、モチベーション管理ではないか。現代社会を生きる私には、正直に言ってもっと直接的なメリットも欲しい。 そこで打算的に考えた結果、あの手この手で、できるだけ楽に本を売りたい。メルカリで出品したり、ECのアフィリエイトに参加するのもいいかもしれないなと、そんな皮算用も楽しい。とはいえ、現実的には断捨離しなければ何も進まないので、現実の無情・無慈悲をうらみつつ、まずは書き残すのを試したい、やらないとな、というのが今回のお話。